2019年5月10日
株式会社日立国際電気
株式会社日立国際電気(代表取締役 社長執行役員 佐久間 嘉一郎/以下、日立国際電気)は、4月29日にMALAYSIA AIRPORT(SEPANG)(マレーシア空港セパン)とUNIVERSITI TEKNOLOGI MALAYSIA(マレーシア工科大学)と共同で、滑走路面異物検知リニアセルレーダーの実証試験システムの運用を開始いたしました。同日、日立国際電気はシステムの起工に際して、現地マレーシア・クアラルンプール空港にて、両国の政府関係者をお招きして起工式を執り行いました。
クアラルンプール/Sama-Sama Hotelでの起工式の様子
本実証試験システムは、総務省の「リニアセルレーダーシステム(滑走路面異物検知システム)の海外展開を通じた周波数の国際協調利用促進に関する調査の請負」を当社が受託した取り組みの一環として、マレーシア空港ホールディングとクアラルンプール空港、マレーシア工科大学との技術協力により実現したものです。今後は、今回の実証試験運用の成果をITU-R、ICAOなどの国際標準化機関に展開していきます。さらにリニアセルレーダー技術のさらなる革新のために、日本とマレーシア両国の産官学連携の体制を構築し、人材教育を含めた交流も活発化させていきます。
第2滑走路レーダーカメラ基地局前にて
【本実証実験の概略】
本実証実験は、以下のような相互協力体制で推進しています。
■日立国際電気
■マレーシア空港セパン
■マレーシア工科大学
【背景】
現在、世界的な航空旅客や貨物需要の成長に伴い、航空機の需要も大きく伸びることが予想されております。一方で「安全・安心」を維持するため、航空機が空港離着陸時に滑走路面に落下させた小さな金属片などの異物を検知するシステムの有用性が叫ばれており、光学の監視カメラに加えて測距性能や距離分解能、夜間の検出性能などの面で光学カメラより優れたレーダー方式の検知システムである「リニアセルレーダーシステム」への期待が高まってきております。
今般、国内外の「リニアセルレーダーシステム」の実用化に向け、マレーシアでの実証試験システムの構築を開始するものです。
【リニアセルレーダーシステムの概要】
本システムは、滑走路閉鎖の原因となる異物を検知するシステムです。RoF(Radio over Fiber)技術を活用した90GHz帯ミリ波レーダーを滑走路に配置し、滑走路全体を電波で走査し、滑走路上の異物発生を検知し正確な位置情報を通報します。
本システムは、レーダーで検知された異物の位置情報により、即座に超高感度カメラで画像を撮影し、管制塔に伝送します。本システムでは、500m離れた滑走路上にある3cm程度の金属片を検知してから画像を伝送するまでを10秒程度で実現いたします。
【今後の展開】
今後は、将来の航空需要が大きく、空港整備計画も多いASEAN地域におけるモデルケースとしてクアラルンプール空港の実証実験設備を活用することで海外展開を加速していきます。これと並行して、熱帯地方に特有な豪雨時の性能評価や、運用方法についてマレーシア空港セパンと共に確立していきます。
※本発表の「リニアセルレーダーシステム」の一部は、「総務省電波資源拡大のための研究開発」の下で実施した「90GHz帯リニアセルによる高精度イメージング技術の研究開発」(平成24年度~平成27年度)及び「90GHz帯協調制御型リニアセルレーダーシステムの研究開発」(平成29年度~平成31年度)の成果によるものです。
株式会社日立国際電気
モノづくり統括本部 ソリューション本部 エンタープライズソリューション部 加島・柴垣
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株式会社日立国際電気
経営管理本部 法務部 佐々木
〒105-8039 東京都港区西新橋2-15-12(日立愛宕別館6F)
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以上