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株式会社 日立国際電気

安心・安全システムに向け、マレーシア空港、マレーシア工科大学と協業覚書を締結

調印式の様子
調印式の様子(クアラルンプール2018年1月10日)

 世界的な航空旅客や貨物需要の成長に伴い、特にアジア地域の航空需要が大きく伸びることが予想されます。 マレーシア空港で 2020年に向けた、旅客数向上や空港設備の高度化への取り組みなど、成長が加速しています。 また「安心・安全」への関心も高まっており、より先進的な滑走路の監視には、当社のリニアセルレーダーシステムが最適なインフラであるとして試験導入の調印式が実現しました。 今後は当社とマレーシア側の人財交流を活発化させ、協業による展開を加速させたいと考えています。

■リニアセルレーダーシステムとは

 本システムは、滑走路閉鎖の原因となる異物を検知するシステムです。RoF(Radio over Fiber)技術を活用した90GHz帯ミリ波レーダーを滑走路に配置し、滑走路上の異物を電波により検知して正確な位置情報を特定します。 異物検知と連動して超高感度カメラで画像を撮影し、管制塔に伝送します。 500m離れた滑走路上にある 3cm程度の金属片を検知し、画像を10秒程度で伝送します。

リニアセルレーダーシステムの画像
リニアセルレーダーシステム(滑走路面異物探知システム)のイメージ図

リニアセルレーダー設置施工図の画像
リニアセルレーダー設置施工図

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ソリューション本部 協創イノベーション開発部
簗取 勝也

簗取勝也の画像
(右はマレーシア工科大学 ユースリ氏)

海外初の実証実験はマレーシア・クアラルンプール国際空港に決まりました。
成田空港の実証実験で得たノウハウを反映しながら、レーダー・カメラ・光ネットワーク・施工の仕様を両国共同で検討を進めています。
滑走路の異物検知システムのニーズが日に日に高まっているのを肌で感じる中、ASEAN地域を中心に拡大展開を図り、異文化に触れながら活動を継続してまいります。

無線技術を活用した花火大会の安心・安全と進化

 2017年8月、秋田県大仙市で、記録的豪雨による雄物川氾濫の危機を乗り越え、「大曲の花火」全国花火競技大会が開催され、約 74万人の観客を魅了しました。 開催に当たり、(株)五洋電子が有する無線の高い技術が評価され、無線技術を活用して適切なタイミングで花火を打ち上げるために必要となる制御データの送受信を行うソリューションが試みられ、大会の成功の一助となる結果となりました。
 点火装置の無線化により、広範囲にわたる有線ケーブルの配線作業が不要となり、人的誤配線による事故防止、さらには集中豪雨や河川氾濫など自然災害での有線ケーブルへの被害も無くなるため、無線化は大いに期待されています。
 今後、本ソリューションは花火師たちの安全を守るだけでなく、最新のAR(Augmented Reality; 拡張現実)技術を用いた花火コンテンツ作成など、新たな創造花火ソリューションへの展開にもつながります。 これが創造花火発祥の地といわれる地元秋田から発信され、人々を魅了する新たな地域産業の礎となり発展してくれることを願っています。

実験に使用した無線機器、全国花火競技大会(秋田県大仙市)の画像

防災行政無線の多言語対応への取り組み

 近年、日系外国人をはじめ定住外国人が増える中、地震や津波、台風などの災害から身を守る情報を正確に伝えることが求められており、特に日本語に不慣れな方々の情報伝達が課題となっています。
 当社では、防災行政無線の親局装置に多言語化技術を活用することで、戸別受信機や屋外拡声装置、スマートフォンなどの情報端末、テレビ受像機を通じて、多言語化された音声データや文字情報の提供が可能となるシステムを開発しました。
 これにより、在日・訪日外国人などの災害時要支援者に対して、災害情報をより迅速にかつ、正確に伝達することができるようになり、災害時の避難者の円滑な避難誘導の一助となることが期待されます。
 今後は、全国自治体との対話を進め、在日・訪日外国人の皆さまが「言葉の壁」を感じることなく、災害に関する情報を理解・把握することができる社会の実現に貢献します。

スマートフォンへの伝達の画像
スマートフォンへの伝達

戸別受信機への伝達の画像
戸別受信機への伝達

テレビへの伝達の画像
テレビへの伝達

屋外拡声子局への伝達の画像
屋外拡声子局への伝達

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ソリューション本部 協創イノベーション開発部
下村 雄次

下村雄次の画像

本防災無線システムの多言語対応への取り組みは、実証実験を通して検証を行い、伝達手段の有効性を確認することができました。
今後、本件と同様の課題を持つ自治体へ防災情報伝達システムを水平展開し、お客様に喜んでいただける多言語ソリューションの提供に向け頑張ります。

陸上自衛隊航空学校霞ヶ浦校様より感謝状を受領

 当社特機事業部は、2018年4月8日に陸上自衛隊航空学校霞ヶ浦校様より感謝状を受領しました。
 当社は、 1993年より現在までの間、陸上自衛隊の航空機搭載用電子機器と、これら機器の機能性能を良否判定する試験装置を全国の陸上自衛隊へ納入してまいりました。
 この試験装置を適切に使用し、常時、正常な電子機器の機能性能を維持することで、陸上自衛隊の安全で正確な飛行を支援することができ、有効かつ実用的な装置として、継続してご使用いただいております。
 今回の感謝状は、霞ヶ浦校様に対し長年にわたって多大に貢献した企業・団体に授与されるものです。 当社が、長年、この試験装置の適切な使用方法を、実際に使用される予定である陸上自衛隊の航空学生のみなさんへ教育する場を提供してきたことが高く評価されました。

記念盾と感謝状の画像

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特機事業部 営業本部
伊藤 和則

陸上自衛隊の航空機に搭載されているアピオニクス*は、航空機の安全な飛行のためになくてはならないものであり、これらの装置を適切に整備する人財育成に携わることは、当社にとっても重要なミッションのひとつだと認識しております。 今後も、陸上自衛隊におけるアピオニクス整備員の教育と航空安全確保への支援を継続することで、さらにお客様に満足していただけたらと考えております。
* アピオニクス…航空機に搭載されている電子機器(通信機器・航法システム等)