2018年1月10日
株式会社日立国際電気
株式会社日立国際電気(執行役社長 佐久間 嘉一郎/以下、日立国際電気)は、1月10日にMALAYSIA AIRPORT(SEPANG)(マレーシア空港セパン)とUNIVERSITI TEKNOLOGI MALAYSIA(マレーシア工科大学)との間で「リニアセルレーダーの技術分野における協力覚書」を締結いたしました。なお締結に当たり、現地マレーシアにて両国の政府関係者招き調印式を行いました。
本覚書は、総務省の「リニアセルレーダーシステム(滑走路面異物検知システム)の海外展開を通じた周波数の国際協調利用促進に関する調査の請負」を当社が受託した取り組みの一環で、クアラルンプール空港への実証試験システム構築へ向けて相互の技術協力を確認するものです。今回の技術協力に向けたフレームワークは、情報通信研究機構と早稲田大学、マレーシア工科大学との国際的な学術連携を基に発展させたものです。先進技術分野での協力体制は、引き続き本技術協力の重要な構成要素になっております。今後は技術協力推進とリニアセルレーダー技術のさらなる革新のために、日本・マレーシア両国の産官学連携の体制を構築するとともに、人材教育を含めた交流も活発化させていく予定です。
【本覚書の概略】
本覚書では、各組織の取り組みに関して以下の内容について合意しています。
■日立国際電気
■マレーシア空港セパン
■マレーシア工科大学
【背景】
現在、世界的な航空旅客や貨物需要の成長に伴い、航空機の需要も大きく伸びることが予想されております。一方で「安全・安心」を維持するため、航空機が空港離着陸時に滑走路面に落下させた小さな金属片などの異物を検知するシステムの有用性が叫ばれており、光学の監視カメラに加えて測距性能や距離分解能、夜間の検出性能などの面で光学カメラより優れたレーダー方式の検知システムである「リニアセルレーダーシステム」への期待が高まってきております。
今般、国内外の「リニアセルレーダーシステム」の実用化に向け、マレーシアでの実証試験システムの構築を開始するものです。
【リニアセルレーダーシステムの概要】
本システムは、滑走路閉鎖の原因となる異物を検知するシステムです。RoF(Radio over Fiber)技術を活用した90GHz帯ミリ波レーダーを滑走路に配置し、滑走路全体を電波で走査し、滑走路上の異物発生を検知し正確な位置情報を通報します。
本システムは、レーダーで検知された異物の位置情報により、即座に超高感度カメラで画像を撮影し、管制塔に伝送します。本システムでは、500m離れた滑走路上にある3cm程度の金属片を検知してから画像を伝送するまでを10秒程度で実現いたします。
【今後の展開】
今後は、将来の航空需要が大きく、空港整備計画も多いASEAN地域におけるモデルケースとしてクアラルンプール空港の実証実験設備を活用することで海外展開を加速していきます。
これと並行して、熱帯地方に特有な豪雨時の性能評価や、運用方法についてマレーシア空港セパンと共に確立していきます。
※本発表の「リニアセルレーダーシステム」の一部は、「総務省電波資源拡大のための研究開発」の下で実施した「90GHz帯リニアセルによる高精度イメージング技術の研究開発」(平成24年度〜平成27年度)の成果によるものです。
<技術に関して>
株式会社日立国際電気
映像・通信事業部 ソリューション本部 ミリ波応用プロジェクト 加島・柴垣
〒187-8511 東京都小平市御幸町32番地
Tel:042-322-3111(代表)
<報道担当>
株式会社日立国際電気 法務・CSR本部 広報室 佐々木・熊木
〒105-8039 東京都港区西新橋2-15-12(日立愛宕別館6F)
Tel:03-6734-9401
以上